「内観パース」「インテリアパース」とは?その種類、作り方や利用方法を解説

内観パースやインテリアパースは、建物や部屋の内装をリアルに表現した視覚的な手法で、設計やデザインのプレゼンテーションに不可欠なツールである。

この記事では、内観・インテリアパースの基本から、作成のメリット、外注するか内製するかの判断、費用感から制作会社の選び方に至るまで幅広く解説する。

設計者、デザイナー、クライアントにとって、完成前の空間を具体的にイメージすることを可能にし、デザインの共有や意思疎通をスムーズにすることができる。内観パース・インテリアパースへの理解を深め、プロジェクトの実現ガイドとして、本記事をご活用いただきたい。

目次

1. 内観パース・インテリアパースとは?

まずはその基本定義から種類、バリエーションをそれぞれ解説していく。

1-1. 内観パース・インテリアパースとは何か、その基本定義と概要

内観パース・インテリアパースは、内装設計や店舗デザインのイメージをビジュアル化する技術であり、プロジェクトの概念やデザインをリアルな画像で表現する手法である。このツールは、実際に工事が始まる前に、内装イメージがどのように見えるかを示すために使用される。デザイナーや建築家は意匠の形状、色、材質、など、様々な要素を関係者に伝えることが可能になる。

1-2. 内観パース・インテリアパースには手書きとCGの2種類がある

内観パース・インテリアパースを制作する方法には、手書きとCG(コンピュータグラフィックス)の二つの技法がある。これらの技法は、それぞれ独自の特徴と利点を持ち、プロジェクトの要求や目的に応じて選択される。

手書きパース
伝統的なアプローチであり、ペン、インク、水彩などの画材を使用して制作される。この技法の最大の特徴は、アーティスティックな表現力にある。手書きによるパースは、独特の質感や温かみを持ち、デザインのコンセプトや雰囲気を直感的に伝えることができる。また、制作過程で生じる微妙な筆圧や色のニュアンスが、パースに深みを与え、視覚的に魅力的な結果を生むことがある。
しかし、手書きパースは制作に時間がかかる場合が多く、修正が必要になった場合には大きな手間がかかることが多い。

CGパース
CGによるパースは、3Dモデリングソフトウェアを使用してデジタル環境にて制作される。この技法は、高い精度とリアリズムを実現することができ、建物の材質、照明、影の効果など、細部にわたる表現が可能。CGパースはデジタルによる制作のため、修正や変更も比較的容易に対応することができる。また、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)といった新しい技術と組み合わせることで、より没入感のあるプレゼンテーションが可能になる。

1-3. アングル(アイレベル・鳥瞰)によるバリエーションがある

内観パース・インテリアパースにおけるアングルの選択は、室内をどのように表現し伝えるかに大きな影響を与える。主にアイレベルと鳥瞰の二つのアングルが用いられ、それぞれが異なる視点から室内の特徴や環境との関係を捉えることができる。

アイレベル
アイレベルのアングルは、人が地面に立って建築物を見る視点によるものである。アイレベルからの視点は、建築物の人間的なスケール感を伝え、見る者に対し、違和感なくその建物のイメージを伝えることができる。さらに、ディテールや質感を細かく描写することで、デザインの細部に対する理解を深める効果もある。このアングルは、室内を実際に見る際の体験や雰囲気を伝えるのに特に適している。

鳥瞰
鳥瞰視点は、空間を上から見下ろし、その全体像を一望できる手法である。この視点から描かれたパースは、空間のレイアウトや配置、さらには動線の計画など、空間の構造的な側面を把握しやすくする。特に、大規模なプロジェクトや複数の部屋が連動して機能するようなデザインの場合、鳥瞰視点は空間のつながりや一体感を示すのに最適な手段となる。また、空間内での材料の使用パターンや色の分布など、デザインの流れを全体的に視覚化するのにも役立つ。初期設計段階やプロジェクトの提案時には、鳥瞰パースを使用することで、まだ形になっていない空間の概念をクライアントに効果的に伝えることができる。

アイレベルと鳥瞰のアングルは、それぞれ異なる目的と効果を持ち、内装デザインを視覚化する際に異なる点を強調する。目的や伝えたいメッセージに応じて、これらのアングルを適切に選択し組み合わせることで、プロジェクトの魅力を多角的に伝え、より深い理解を促すことができる。

1-4. 人がいるいないでも印象が変わる解説

内観・インテリアパースにおける人物の配置は、その空間がどのように生き生きと見えるか、またどのように感じられるかに大きく影響を及ぼす。人物が配置されると、ただの静止した空間が生活が息づく場へと変わる。この変化は、空間に対する受け手の感情的な反応や空間との関わり方に深く関わる。

人物がいる場合、見るものはその空間をよりリアルで親しみやすいものとして感じる傾向がある。人々が空間内でどのように動き、交流し、日常を過ごすのかを想像しやすくなり、その結果、空間に対するより深いつながりが生まれる。たとえば、リビングルームのパースに家族が描かれていると、その空間が温かみのある家庭的な雰囲気を持っていることを直感的に感じることができる。またレストランにおいて、パースに人々の姿を加えることで、空間の賑わいを視覚的に表現することができる。

一方で、人を配置しない選択も、その空間に焦点を当てデザイン自体の美しさや機能性、空間を際立たせるために有効である。デザインの細部に目を向けさせ、材質の質感や照明の影響、色の使い方など、純粋なデザイン要素に集中させることができる。例えば、ミニマムなインテリアデザインを強調したい場合、人物を排除することで、シンプルで洗練された空間の美しさがより強調される。

2. 内観パース・インテリアパースを制作するメリット

内観パースやインテリアパースを制作することは、建築やインテリアデザインの分野で重要な役割を果たす。これらの視覚的ツールを活用することで得られるメリットは多い。以下で、内観パース・インテリアパース制作の主な利点を詳しく見ていく。

2-1. クライアントへの訴求力が高まる

内観パースやインテリアパースを制作することによってクライアントへの訴求力が高まる理由には、具体的な視覚資料を通じて提案されたデザインの魅力を直接的に伝えることができる点が挙げられる。これらのパースは、プロジェクトの成功に向けてクライアントとのコミュニケーションを促進し、プレゼンテーションの質を向上させる効果がある。

デザインのビジョンを具体的に伝える
内観パースやインテリアパースは、設計者の頭の中にあるビジョンを視覚的に具体化し、クライアントに伝える手段となる。言葉や平面の図面だけでは伝わりにくい空間の雰囲気やデザインのディテールを、リアルなイメージで示すことができる。この直接的なビジュアルコミュニケーションにより、クライアントは提案されたデザインの意図や空間の可能性を明確に理解することが可能となる。

意思決定プロセスの支援
パースを用いることで、クライアントは様々なデザインオプションを視覚的に比較し、評価することができる。デザインの変更点や異なる素材の使用が空間に与える影響を具体的に見ることができるため、より確かな意思決定が行える。このプロセスは、クライアントが自信を持ってプロジェクトを進めるための基盤を提供する。

クライアントとの信頼関係の構築
高品質な内観パースやインテリアパースをプレゼンテーションに利用することで、クライアントにプロフェッショナルな印象を与え、プロジェクトへの信頼感を高めることができる。設計者がクライアントのニーズを深く理解し、それに応えるための努力をしていることを視覚的に示すことができるため、プロジェクトの初期段階からクライアントとの信頼関係を築くことが可能となる。

このように、内観パースやインテリアパースは、デザインのビジョンを具体的に伝え、意思決定プロセスを支援し、クライアントとの信頼関係を構築することで、クライアントへの訴求力を高める。これらの要素はすべて、プロジェクトの成功に寄与する重要な要因である。

2-2. デザインシミュレーションが可能

内観パースやインテリアパースを制作することによるメリットの一つとして、デザインシミュレーションが可能になる点が挙げられる。これは空間のデザインプロセスにおいて非常に価値のある機能であり、具体的な利点を以下にまとめる。

多様なデザインオプションの探索
内観パースを利用することで、異なるデザインパターンを迅速に試せる。色彩、材質、照明、家具の配置などの要素を容易に変更し、それぞれのオプションが空間にどのように影響するかを視覚的に確認できる。

意思決定の支援
デザインシミュレーションを行うことで、クライアントやデザインチームが選択肢を比較検討しやすくなる。これにより、最終的なデザイン決定をより確信を持って行えるようになる。

問題点の早期発見
デザインプロセスの早い段階でパースを使用することで、潜在的な問題点や設計上の課題を早期に発見し解決できる。これにより、後の段階での手戻りを減らし、コストと時間の節約につながる。

プレゼンテーションとコミュニケーションの強化
デザインシミュレーションを通じて作成されたパースは、クライアントへのプレゼンテーションやチーム内のコミュニケーションに非常に有効だ。リアルなビジュアルは、言葉や図面だけでは伝えきれないデザインの意図や空間の雰囲気を伝えるのに役立つ。

このように、内観パースやインテリアパースを活用したデザインシミュレーションは、デザインプロセスを効率化し、より良いデザイン選択を行うための強力なツールとなる。

2-3. イメージの相違が回避できる

内観パースやインテリアパースを利用することでイメージの相違を回避できる点は、デザインプロジェクトにおける重要なメリットである。この利点は、プロジェクトの初期段階から最終的な実施に至るまで、デザインの意図とクライアントの期待を一致させることに貢献する。

イメージの共有と認識の一致
パースは、設計者とクライアント、関係者間での共通の理解を築くのに役立つ。設計者の頭の中にあるビジョンを視覚的に表現し、クライアントがそのデザインを具体的にイメージできるようにすることで、双方の間での認識のズレを最小限に抑えられる。

詳細なビジュアライゼーションによる明確化
内観パースやインテリアパースによって提供されるビジュアライゼーションは、空間の雰囲気や材質の質感、照明の効果など、デザインの細部まで具現化する。これによりクライアントは、提案されたデザインが実際にどのように実現されるかを正確に理解でき、未然に誤解を解消できる。

変更と修正の容易性
パースを使用することで、デザイン案に対するフィードバックや要望を視覚的に反映しやすくなる。クライアントからの具体的な変更要望を迅速にパースに反映させることができ、イメージの相違が生じる前に修正を加えられる。また、複数のデザインパターンを比較検討する過程でも、内観パースは有効なツールとなる。

コミュニケーションの促進
内観パースは、クライアントやプロジェクトチーム内でのコミュニケーションを促進する枠割をはたす。視覚的な表現は言葉の説明よりも直感的に理解されるため、設計意図をより効果的に伝えることができ、プロジェクトの進行をスムーズにすることができる。

これらの点から、内観パースやインテリアパースはプロジェクトにおけるイメージの相違を回避し、より円滑な進行を促進するための重要なツールとなる。

2-4. 竣工前から完成時のイメージを伝えることができる

内観パースやインテリアパースを活用することで竣工前に完成時のイメージを伝えることが可能であり、このアプローチはプロジェクトのクライアントにとって大きな価値を持つ。

ビジョンの共有と期待の調整
内観パースやインテリアパースを使用することで、デザインチームはクライアントや投資家に対して、プロジェクトのビジョンを具体的に示せる。これにより、関係者全員が同じ目標に向かって努力することが容易になり、期待値のずれを最小限に抑えられる。完成予想図はクライアントが最終的な空間を想像しやすくし、設計に対する理解と納得を深める。

プロジェクト進行中の意思決定
竣工前のイメージを視覚化することで、プロジェクトの各段階での意思決定に役立つ。デザインの選択肢に対するフィードバックが早いタイミングで得られ、必要に応じて迅速な調整が可能となる。この柔軟性はプロジェクトをスムーズに進行させ、成果物の質を高めることに貢献する。

最終成果物への信頼性の構築
プロジェクトの成果物に対する信頼性は、クライアントの満足度と直接関連する。内観パースやインテリアパースによる完成予想図は、クライアントが最終的な空間に対して持つ期待を形にし、プロジェクトの成功に対する信頼感を高め、最終的な承認を得やすくする。

マーケティングとプロモーションの強化
不動産開発やリテールデザインの分野では、内観パースやインテリアパースはマーケティング資料としても非常に有効だ。完成前のプロジェクトを魅力的に見せることで、投資家の関心を引き、将来の顧客層に対してプロジェクトをプロモーションすることが可能になる。


これらの理由から、内観パースやインテリアパースを用いて竣工前から完成時のイメージを伝えることは、プロジェクトの透明性を高め、全関係者間での信頼関係を構築する上で非常に重要な役割を果たす。

3. 内観パース・インテリアパースは外注を検討しよう

簡単なプレゼン程度の内観パースであれば、作り方を学べばそんなに難しくなく制作はできるだろう。しかし、そこから一定のレベルまで到達するには、相当な時間と労力が必要である。まずは外注することをお勧めする。

3-1. 外注した場合のメリットとデメリットは?

内観パースの外注にはメリットとデメリットが存在する。それぞれを見ていこう。

高品質な成果物

効率・時間の節約

コストの最適化

高品質な成果物
外注することで、専門的な技術と経験を持つプロの知識を活用することができる。制作会社は最新のソフトウェアやレンダリング技術を駆使して、リアルで高品質なパースを提供することが可能であり、プロジェクトのビジュアル表現のレベルを向上させることが期待できる。

効率・時間の節約
内部リソースを他の重要な作業に割り当てられるため、全体的なプロジェクトの効率性が向上する。

コストの最適化
自社でパース制作に必要な高価なソフトウェアやハードウェアを購入し、スタッフをトレーニングするコストを節約できる。外必要な時だけサービスを利用することになるので、コストを効率的に管理できる。

3-1-2. デメリット

コストの高さ

情報セキュリティへの懸念

コストの高さ
外注する際には、専門の制作会社に支払う費用が発生する。これらの費用はプロジェクトの規模や複雑さ、求められる品質によって大きく変動し、特に高品質のパースを求める場合、内製するよりも高額な初期コストがかかる。

情報セキュリティへの懸念
プロジェクトに関する詳細情報を外部に共有することは、情報漏洩のリスクを伴う。外注先が適切な情報セキュリティ対策を講じているかを確認する必要があり、これは特に機密性の高いプロジェクトにおいて重要な懸念事項となる。

内観パースを外注する際には、これらのメリットとデメリットを総合的に検討し、プロジェクトの要件や目標に最も合致した選択を行うことが重要である。

3-2. 内製する場合のメリットデメリット

内製する場合でもそれぞれメリットデメリットはある。詳細を解説していく。

3-2-1. メリット

直接的にコントロールができる

スキルと知識の蓄積

長期的なコスト削減

直接的にコントロールができる
内製することで、パース制作の各段階において直接的なコントロールが可能となる。これにより、プロジェクトの要件や変更が発生した場合にも、迅速かつ柔軟に対応できる。

スキルと知識の蓄積
内製プロセスを通じて、チームはパース制作に関連するスキルと知識を内部に蓄積できる。これは、将来のプロジェクトでの効率性と品質の向上に寄与する。

長期的なコスト削減
初期の投資や学習曲線を乗り越えれば、長期的には外注に比べてコスト削減が可能となる場合がある。特に頻繁にパースを制作する必要がある場合、内製は経済的に合理的な選択肢となる。

3-2-2. デメリット

初期投資の必要性

リソースの分散

専門スキルの維持

初期投資の必要性
内製を開始するためには、適切なソフトウェアの購入やハードウェアのアップグレード、チームメンバーのトレーニングなど、初期投資が必要となる。

リソースの分散
パース制作に必要な時間と人的リソースを確保することが、他のプロジェクトや業務に影響を与える可能性がある。特に小規模なチームや多忙なスケジュールの中では、リソースの分散は大きな課題となる。

専門スキルの維持
技術の進歩に伴い、チームは継続的な学習とスキルアップデートが求められる。最新のトレンドやソフトウェアのアップデートに対応するためには、定期的なトレーニングや教育が不可欠である。

内観パースを内製するかどうかの判断にあたっては、これらのメリットとデメリットを総合的に評価し、プロジェクトの特性や組織の能力、将来的な目標を考慮することが重要である。適切な計画とリソース管理を行うことで、内製の利点を最大化し、潜在的な課題を軽減できる。

3-3. 内製する場合のプロセス

内製のプロセスは、以下のステップで行われる

① 3DCGのソフトを用意する
内観パース制作には、3Dモデリングとレンダリングが可能なソフトウェアが必要だ。3DCG統合ソフトのBlenderは、無料でありながら強力な機能を備え、初心者からプロフェッショナルまで幅広く利用されている。

② 学ぶ
次に、選択したソフトウェアについて徹底的に学習する必要がある。オンラインコース、チュートリアルビデオ、フォーラムの活用が有効である。実際に手を動かしながら、基本操作から応用テクニックまで段階を踏んで習得していくことが重要だ。

③ 書籍や資料を集める
「はじめての3Dモデリング Blender 3 超入門」や「作って学ぶ! Blender入門」など、初心者から上級者まで役立つ書籍が多数出版されている。また、インターネット上でも、学習材料やチュートリアルが豊富に公開されており、積極的に活用することがおすすめである。

内製には時間と努力が必要だが、長期的に見ればスキルの習得とコスト削減の両方を実現できる可能性がある。適切なリソースと学習意欲があれば、内製による内観パース制作は大きな価値をもたらすだろう。

4. 内観パース・インテリアパースの費用と価格帯

外観パースの制作にかかる費用は、多くの要因によって左右される。この章では、制作費用の決定要因と市場の平均価格について解説する

4-1. 制作費用の決定要因3つ

内観パースの制作費用は、主に以下の3つの要因によって決定される。

① 空間の種類と規模
住宅・ホテル・飲食店・物販など
インテリア空間の種類によって対応する内容が変わってくるため、価格帯が異なるのが一般的。計画の規模や、形状が特殊な場合、反映する家具や小物の種類などが費用に影響を与える。

②アングル
次に費用に影響する大きな要因は、視点(アングル)の種類である。CGパース制作のほとんどは人目線のアイレベルにて行われ、費用もその場合を想定して見込まれている。

しかし鳥瞰を希望する場合は注意が必要だ。上空から見下ろすかたちで視点を希望する場合は、さまざまな要因との関係性を表現したい場合がほとんであるだろう。当然制作もさまざまな要因に対して対応しなければならず、おのずと時間と費用を要することになる。

③カット数
そして最後は制作するパースのカット数である。当然カット数が増えればその分費用は追加となる。対象となる建物が同じで異なるアングルが必要な場合や、仕上げ材の異なるパターンの作成など、廉価に対応してもらえる場合もある。また、複数カットの依頼の際には1枚当たりの単価を割り引いてくれる制作会社もある。

4-2. 市場の平均価格

市場におけるCGパースの平均価格は、上記の要因に加え、制作会社の技術力によっても異なる。一般的な費用をまとめておく

高品質内観パース・・・100,000円~/1カット
簡易的な内観パース・・・40,000円~/1カット
大規模プロジェクト・・・150,000円~/1カット

上記の要因のとおり、種類や規模によって変動するので目安として示しておく。

5. 内観パース・インテリアパースが得意な制作会社の選び方

CGパースの品質は、最終的なプレゼンテーションやプロジェクトの成功に大きく影響を及ぼす。そのため、優れた制作会社を選ぶことは非常に重要である。本章では、CGパース制作を得意とする制作会社を選ぶための具体的な方法と注意点について解説する。

5-1. 制作会社を選ぶ際のポイント5つ

CGパース制作会社を選ぶ際には、以下のポイントを考慮することが重要である。

① 品質の高さ:制作例で紹介される作品の質を見ることで、制作会社の技術力を把握できる。リアリズム、アーティスティックな表現、ディテールの表現など、求めるクオリティが満たされるか確認しよう。

② 多様性:異なるタイプのプロジェクト(例えば、住宅、オフィス、商業施設など)に対応した作品が制作例に含まれているかをチェックしよう。これは、制作会社が様々な要求やスタイルに柔軟に対応できる能力があることを示す。

③ 最新技術の使用:CGパースの品質は使用されるソフトウェアや技術に大きく依存する。制作会社が業界の最新技術を取り入れているかどうかは、より高品質な結果を得るための重要な指標である。

④ 専門知識:建築や内装の基本的な知識があるかも確認すべきである。専門的な要求や細部に対する理解が、よりリアルで説得力のあるパースを制作する上で役立つ。

⑤ 要求の理解度:初期の問い合わせや打ち合わせで、制作会社がプロジェクトの目的や要望をどれだけ理解しているかを見極めよう。細かい要望にも耳を傾け、理解しようとする姿勢が重要である。

これらのポイントを踏まえ、候補となる制作会社を比較検討することで、プロジェクトの要求に最も適したパートナーを見つけることができるだろう。

5-2. 制作会社を選ぶ際の注意点4つ

ポイントだけでなく注意点もいくつかあるので見ていこう。

① 内観パースの制作事例の小物や商品の配置に注目する
インテリアパースにおいて、小物や商品の配置が空間の雰囲気を作るうえでとても重要である。それらの選択や配置方法に、その制作会社のセンスと技術力が見えてくる。空間自体を綺麗に表現するのはCGの特性上そんなに難しくないが、家具・小物・商品といった構成要素にも注目しよう。

② 過度な低価格のオファーには注意
極端に安い価格を提示する会社には注意が必要だ。低価格は魅力的に見えるが、それには品質と引き換えになっている場合がある。安価である理由を明確にし、品質に関して確認することが重要である。価格と品質のバランスをしっかりと見極めるべきである。

③ 修正ポリシーを確認
制作過程での修正は避けられない。そのため修正ポリシーを事前に確認しておく必要がある。修正の範囲、許容される修正回数、追加費用の有無など、明確な合意がトラブルを避ける上で非常に重要である。

④ 国内なのか海外なのか?制作会社の所在を確認しよう
数年前から海外のプロダクションがWebサイトを利用して、 CGパースの制作を受注し制作することが増えてきた。国内の制作会社よりコストを低くしてCGパースを制作できるため、活用機会はあるだろう。ここでの注意点は、どうしても制作担当するが海外の方であるため、細かい表現が日本人の感覚と異なることがある。配置する植物や小物など、制作者側に選択の判断が委ねられるところでよく見られるようだ。海外プロダクションに依頼の際は、事前にそのあたりの懸念を伝え、解決策の有無を確認しておこう。

6. どんなソフトを使うのか?

CGパース制作には映画やゲームの制作に用いられる3DCGソフトを利用する。
ソフトの種類には特定の機能のみに特化したタイプと、総合的にカバーしている統合型に分かれる。建築・インテリアの分野においては統合型が主流である。また、内観パース制作時は家具や小物などのアセットがとても重要になってくる。素材集や配布データが充実しているソフトであることも選定基準に入れておこう。

具体的なソフトについての解説はこちらの記事を参考にしていただきたい。
>>【2021年】建築パース制作のプロが薦める3DCGソフト4選比較

7. 内観パース・インテリアパース制作においてのよくある質問

外観パースの制作についての疑問は多岐にわたる。ここでは、特に頻繁に聞かれる質問に答えることで、読者の理解を深めることを目指す

内観パースの独学は可能か?

もちろん可能である。その際はWebサイト・動画サイトなどでの解説や、書籍が充実しているソフトを選ぶのがよい。情報の充実度やユーザー数は、習得難易度に直結する。

内観パース制作を最短で習得するための学習方法は?

とにかくまず題材を決めて制作し、評価して再度同じ題材で制作を行う。これが最短の道と考える。例えば、モデリングを学ぶ際は、ひとつの題材の建物を何度も繰り返して制作することで、モデリングの技術が驚くほど身に付くだろう。

内観パース制作に必要な情報や資料はなんですか?

最低限必要な情報としては、平面図と高さの情報(建具等)、マテリアルなどの仕上げの詳細になる。準備があれば、展開図・天伏図や詳細図、配置する家具の内容が把握できる資料があるとよい。

内観パースを外注する場合、制作期間はどのくらいかかりますか?

建物用途・規模・形状などによって大きく変わるので、計画している建物の概要資料と共に制作会社へ問い合わせることを勧める。おおまかに1週間から10日程度あれば小中規模程度の物は対応できるだろう。

内観パース制作に使われる主なソフトウェアは何か?

高品質なアウトプットが可能なことから3dsMaxが多く利用される。最近はオープンソースのBlenderを始め、LumionやTwinmotionが注目を集めている。

8. まとめ

本記事では、内観パース・インテリアパースの基礎からその重要性、作成方法、費用に至るまで幅広く解説してきた。

内観パースは、空間デザインにおいて不可欠なツールであり、クライアントへの訴求力を高める効果がある。手書きからCGまで様々な技法が存在し、アングルや人のあり・なしによる表情の違いを表現することが可能である。

制作費用はプロジェクトの種類や規模の詳細によって大きく変動するため、事前の調査と計画が必要となり、適切な制作会社の選定は成果物の品質を決める重要なステップだ。また、制作を外注するか内製するかに関わらず、明確な目的と準備が成功するかどうかを分ける重要な要素である。

この記事が、内観パース・インテリアパースの理解を深め、最適な制作パートナーを見つける包括的なガイドとなることを望む。

弊社内観パース制作事例も是非参考にしていただきたい。
>>株式会社モデルノ 内観パース

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