床色で決めるインテリアコーディネート【建築パース制作】
住宅の内観CGパースを作成する際、床色は決まっている状態で家具・小物を配置していくことが一般的である。
日本のインテリアでは壁・天井はたいてい白系で、部屋のイメージは床色によって大きく変わってくる。
当然、そこに合わせる家具たちも床色に合わせて変えていかなければならない。
日本のフローリングは「ホワイト」「ライトブラウン」「ミディアムブラウン」「ダークブラウン」「ブラック」の5種の色でカバーされる。これら5種の特徴とスタンダードな配色計画について、CGを用いた事例を通して解説していく。
床材に応じたカラースキームに沿ってインテリアを構成することで、事例のような雰囲気に仕上げることができるであろう。
1. インテリアの床色 <ホワイト>
ホワイトの床は、明度が高いため部屋を広く見せることができる。また、明るい無彩色であるため、さまざまな家具と合わせることができる。モダンでクールなインテリアを作成するのに適している。
ホワイトの床色は、同じ無彩色のブラックやグレーの家具と相性が良い。ホワイトの家具を多用する場合は、部屋全体がぼんやりと見えることがあるため、強い色のアクセントを採用すると良い効果が得られる。
ホワイトの床色には、どんな色の木種家具でも合わせることができる。部屋が広々と感じられるため、大きくて重厚な家具を配置しても、また小物類が多くても、バランスが取れたインテリアに仕上がる。
2. インテリアの床色 <ライトブラウン>
ライトブラウンの床は、ぬくもりがあり明るい色味なので部屋が広く見える効果がある。また、カジュアルな印象なものが多い。
床色が明るい為、ソファの色が暗くても問題なく、家具を多く配置してもくどいインテリアにならない。比較的どんな色種とも合う万能な床色である。
ライトブラウンの床に、ライトブラウン同色系の家具を組み合わせると、明るくやさしいインテリアになる。ただしメリハリが生まれない分、空間がぼやけてしまいがちである。この場合、小物やディスプレイなどで彩度の高い色を組み合わせるとよい。
ライトブラウンの床は、ダークブラウンや無彩色の濃い色の家具とも合うが、クールな印象が強く出てしまうことがある。その場合も、グリーンなどでバランスをとったり、アクセントカラーを利用するとよりバランスの良いインテリアに仕上がるだろう。
3. インテリアの床色 <ミディアムブラウン>
ミディアムブラウンの床は、ぬくもりや落ち着きを感じる床の色でり、木の質感がよりよく表現される色種である。そのため、木の素材を強調したインテリアを意識するとよい。
ミディアムブラウンの床に、色の違う木種を配色しても違和感が少なく、うまく馴染む。濃さと明るさのバランスがとれた床色なので、さまざまな家具との調和がとれる。
また、ミディアムブラウンの床は、カラフルで個性の強い配色にも対応することができる。
4. インテリアの床色 <ダークブラウン>
ダークブラウンの床は、大人っぽい高級感や重厚感が特徴的である。圧迫感を感じやすいため、明るい色の家具で構成するのが基本である。家具の色を床より明るくすると開放的に、暗くすると高級感を演出しやすい。
ダークブラウンの床には、ブラックやホワイトの無彩色の家具が組み合わせやすい。無機質になりがちなので、観葉植物を適所に配置するとよい効果が得られる。
ダークブラウンの床に濃い色の家具を配置する場合は、明るい色のラグで圧迫感の軽減を図るとよい。また、物は少なくして、脚の細い家具などを選ぶことで、圧迫感を軽減することができる。
5. インテリアの床色 <ブラック>
ブラックの床は、高級感や重厚感を感じる色であり、クールなインテリアを作ることができる。明度が低い分圧迫感を感じやすく、部屋を狭く感じる色なので、家具は基本的に明るい色でまとめるとよい。
ブラックの床色は、同じ無彩色のグレーやホワイトと相性がよい。無機質な印象になる場合は、インテリアグリーンを利用し、鉢も無彩色のものを選ぶとバランスがよくなる。
ブラックの床に濃い色の家具を合わせると、ラグジュアリーなインテリアが生まれる。ただし、高い位置に濃い色を持ってくると重たい印象が生まれてしまうので注意が必要だ。クールになりがちな場合は、ミディアムブラウンなどの家具を合わせると、よりバランスの良いインテリアになるだろう。
6. 床色で決めるインテリアコーディネートまとめ
以上が床色を基準にインテリアコーディネートを考える方法の紹介である。
主に5つの床色(ホワイト、ライトブラウン、ミディアムブラウン、ダークブラウン、ブラック)を取り上げ、それぞれの特徴と組み合わせる家具やアクセントカラーについて解説した。
カラースキームについては他にもいろいろとあるが、CGパース制作では以上のような配色が無難で最適だろう。
色彩計画だけでなく、色のバランス、黄金比や家具のボリュームを全体の30%程度におさめるなど、インテリアコーディネートの基本的な手法も把握しておく必要がある。
関連記事 建築パースとインテリアコーディネート
>>カラーのしくみとインテリアコーディネート【建築パース制作】
>>インテリアの視覚効果と配色【建築パース制作】
>>インテリアスタイルとカラースキーム【建築パース制作】
☆この記事がお役にたちましたら、シェア・リツイート・ピン・ブックマークをよろしくお願いします。